ジャングルの法則と宗教観 4
失敗は個人の性格や意思に欠陥がある場合とみます。
カウェルティがセルフ・メイド・マンの思想・・・
つまり成功の哲学を旧思想に対する断絶ととらえず、連続とみるのはこの点からであり、ここで伝統的プロテスタント倫理の自己修練は、新しい衣を着て再登場してくるのです。
したがってカウェルティは、アメリカにおけるダーウィニズムの影響は皮相的なものであったとみるわけです。
金メッキ時代においてはセルフ・メイド・マンは、一面では泥棒貴族としてジャングルの法則の中でたくましく生きるとともに、他面では伝統的倫理に支えられることは、決して不可能なことではないのです。
セルフ・メイド・マンのイメージと泥棒貴族のイメージは重なり合うのです。
セルフ・メイド・マンがアメリカの大衆に人気があるのは、世俗的なイメージにもかかわらず、案外彼が宗教的倫理をがっちり踏まえていることにあるのかもしれません。
したがって、この微妙なバランスを大きく外せば、讃美は憎悪に変わり得るのです。
その点で「エリーの戦い」でグールドら鉄道3人組の1人、ジム・フィスクが狙撃されたのも、理由がなかったわけではありません。