ジャングルの法則と宗教観 3
旧思想は急転した現実には適応できないので、新思想への再構築を余儀なくされたにすぎません。
たしかに勤勉や節制といった自己修練の美徳は、南北戦争前の生産が直接の成果をもたらした静態的社会では実質的な意義がありましたが・・・
しかし、戦後の大規模な工場制生産、とくに一日10時間から12時間に及ぶ苛酷な労働のもとでは通じなくなっています。
経済的利害と衝突しないかぎりは古い倫理は守られましたが、衝突する場合には無視されました。
したがって、個人的競争が人生の基本的様式となった新しい世代においては、伝統的思想は組み替えられねばならなかったのです。
具体的には、現実に開く一方の貧富の差をどう説明するかにかかってきます。
セルフ・メイド・マンは、自分に便利とみれば伝統に反するダーウィニズムすら取り入れましたが、彼がそれと基本的には融合できなかったのは、やはり伝統的自己修練の観念を捨て切れなかったからです。
なぜある人は成功し、金持ちとなり、他は落ちこぼれて貧乏になるのか・・・。
苛烈な競争社会ではそれに生き残るための決意があるかないかによって定まります。